紀里谷和明「ラストナイツ」の評価はいかに!?伊原剛志はハリウッド版忠臣蔵で清水一学を演じていた

映画「ラスト・ナイツ」を観て来ました。
「CASSHERN」や「GOEMON」の紀里谷和明監督が、ハリウッドデビューを果たしたアクション作品です。
ストーリーのベースは、日本人にはおなじみの「忠臣蔵」。
何かで、「アクション・ファンタジー」と読んだような気がしますが・・・
海外では、忠臣蔵もファンタジーになってしまうのでしょうか?(笑)
この「ラスト・ナイツ」には、日本人俳優の伊原剛志さんも出演しています。
脇役ではなく、「忠臣蔵」で言うところの清水一学です。
かなり、おいしい役どころですよね♪
今回は、この「ラスト・ナイツ」の評価や感想について書いてみたいと思います。
映画「ラスト・ナイツ」は忠臣蔵そのもの!?
ではまず、「ラスト・ナイツ」のストーリーを、簡単にご紹介したいと思います。
狡猾な政治家が台頭し、戦士たちが追いやられようとしている帝国。
ある日、強欲な大臣から賄賂を要求される、バルトーク卿(モーガン・フリーマン)は、それを断った上に彼に刃傷し、反逆罪に問われるという事件が起きる。
その後死刑判決が下され、自身の愛弟子あった騎士ライデン(クライヴ・オーウェン)の手で斬首されてしまう。
バルトーク卿の領土は解体となり騎士と民は追放させられることに。
1年後、ライデンはやめていた酒に溺れる毎日を送り、他の騎士たちも刀を捨てていた。
だが、その裏で彼らは主君バルトークの敵を討ち、堕落した権力者たちへ報復する計画を進めていた・・・
「ラスト・ナイツ」の予告編 ↓
このあらすじを読んだだけで、「忠臣蔵だな!」と分かる人は多いと思います。
私は鑑賞前から、この映画のストーリーが、「忠臣蔵」がベースになっていることを知っていましたが・・・
一緒に行った友人は、全く知りませんでした。
終演後、彼女に聞いてみたんです。
「忠臣蔵の話だって、気付いた?」って。
そうしたら、
「もちろん、気付いたよ。バルトーク卿が斬首されて、“これ、絶対仕返しされるよな。でもそれって、忠臣蔵じゃん!”て思ってさ。そしたら、ホントにそうだったんだね」と彼女。
まぁ、あの話を知っていたら、誰でも気付くストーリー展開ですからね。
私は、子供の頃から「忠臣蔵」に触れる機会は多かった方です。
何せ、父と祖父が大ファンでしたから!
年末になると、忠臣蔵の季節だな・・・って思うんですよ。(笑)
さて、「ラスト・ナイツ」は、武士道が騎士道に変わった物語です。
ただし、「忠臣蔵」で登場するおなじみのシーン(名場面)は、殆どありません。
浅野内匠頭(バルトーク卿)が吉良上野介(ギザ・モット)の執拗ないやがらせに、追い詰められるシーンとか、大石内蔵助(ライデン)と浅野の妻・瑤泉院の「南部坂 雪の別れ」とか・・・
日本の「忠臣蔵」をスリムにまとめた、本当に分かりやすい勧善懲悪ものになっています。
また、「忠臣蔵」とは違った部分も多いです。
バルトーク卿は、皇帝の命令でライデンに殺されることになります。(予告編に出て来ますね)
四十七士は、吉良邸での討ち入りで誰一人として死にませんでしたが、「ラスト・ナイツ」では、結構殺られてしまいます。
「忠臣蔵」のラストでは、四十七士が全員切腹するのに、「ラスト・ナイツ」ではライデンだけが処刑されることに・・・
全く同じでは、面白味がありませんからね。
この辺りは、上手く作り替えたと思います。
私の「ラスト・ナイツ」の評価は、「まずまず・・・意外と良かった!」といったところでしょうか。
ライデン役のクライヴ・オーウェンと、バルトーク卿役のモーガン・フリーマンは、さすがの安定感。
ライデン隊長は、文句なしにカッコよかったです!
ところで、この映画には日本人俳優の伊原剛志さんも出演しています。
敵役・ギザ・モットに仕える、剣士イトー役ですね。
#ラストナイツ 主演のクライヴ・オーウェンは勿論素晴らしいけど、悪役のアクセル・ヘニーも良かった。厭らしさ満載だけど綺麗。たまに滝藤さん(笑) 伊原剛志さんの、敵だけど尊敬しているような堕落してほしくないような見守ってる感も素敵→ pic.twitter.com/fW5RAlUDsE
— ルゥ☂ (@7glue_bover8) 2015, 11月 18
「忠臣蔵」では清水一学に当たる役ですが、出番も多かったし、ライデンとの一騎打ちのシーンもあるので、かなり奮闘していました。
ただ、ライデンに対する、あのバレバレの尾行はちょっと・・・(苦笑)
アニメチックな髪型も気になりました。
映画は、全体的に暗闇のシーンが多くて、城攻めの時は敵だか味方だかよく分からない状態になります。
他の作品でも言えることなのですが、こういうシーンて、もう少し何とかならないもんですかね?
個人的には、アジアンテイストな雰囲気も、良かったのか悪かったのか疑問が残るところです。
中世のヨーロッパを舞台にしているのでしょうが・・・
これ、架空の国なんですよね!?
監督が紀里谷和明さんですから、頷けないこともないのですが・・・
まぁ、ツッコミどころは満載です。(笑)
それでも、映画自体は上手く仕上がっていたと思います。
クリフ・カーティスが演じている副官のコルテスも、ライデンに次いで魅力でしたし♪
私自身は、「ラスト・ナイツ」に関してはそこそこの高評価をしていますが、アメリカでの評価はどうかと言うと・・・
悪くもないし、飛び抜けて良くもない。
そこそこいい方なのではないか・・・という、一定レベルの評価はされているようですよ。
それにしても、改めて「忠臣蔵」ってスゴイ話なんだなと思いました。
「ラスト・ナイツ」より、「忠臣蔵」の方がより深くて繊細です。
そう言えば、今年も“忠臣蔵の季節”が近づいて来ているんですね。
毎年、「今年こそは泉岳寺(赤穂浪士が葬られている)に行ってみよう!」と思っているのに、今年も行けませんでした。(苦笑)
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